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科学をもって


 ある人は科学をもって現実に即したものと考え、芸術の大部分は想像あるいは理想に関したものと考えるかもしれないが、この区別はあまり明白なものではない。広い意味における仮説なしには科学は成立し得ないと同様に、厳密な意味で現実を離れた想像は不可能であろう。科学者の組み立てた科学的系統は畢竟ひっきょうするに人間の頭脳の中に築き上げ造り出した建築物製作品であって、現実その物でない事は哲学者をまたずとも明白な事である。また一方において芸術家の製作物はいかに空想的のものでもある意味において皆現実の表現であって天然の方則の記述でなければならぬ。俗に絵そら事という言葉があるが、立派な科学の中にも厳密に詮索せんさくすれば絵そら事は数えきれぬほどある。ニューバランス スニーカー

も少しも虚偽ではない。分子の集団から成る物体を連続体と考えてこれに微分方程式を応用するのが不思議でなければ、色の斑点はんてんを羅列られつして物象を表わす事も少しも不都合ではない。

 もう少し進んで科学は客観的、芸術は主観的のものであると言う人もあろう。しかしこれもそう簡単な言葉で区別のできるわけではない。万人に普遍であるという意味での客観性という事は必ずしも科学の全部には通用しない。科学が進歩するにつれてその取り扱う各種の概念はだんだんに吾人ごじんの五官と遠ざかって来る。従って普通人間の客観とは次第に縁の遠いものになり、言わば科学者という特殊な人間の主観になって来るような傾向がある。近代理論物理学の傾向がプランクなどの言うごとく次第に「人間本位アントロポモルフェンの要素エレメンテ」の除去にあるとすればその結果は一面において大いに客観的であると同時にまた一面においては大いに主観的なものとも言えない事はない。芸術界におけるキュービズムやフツリズムが直接五官の印象を離れた概念の表現を試みているのとかなり類したところがないでもない。 http://www.newbalancejptop.com/

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