年末の大掃除で部屋や職場がスッキリし、新年を新たな気持ちで迎えられる気になれる。しかし、なぜだか心が晴れ晴れとせず、どことなく不安な気持ちのままなんてことはないだろうか。実はこれ、心の中の大掃除が、きちんとできていないせいかも。そこで、新年を気持ちよく迎えるために、枡野俊明著『心配事の9割は起こらない 減らす、手放す、忘れる「禅の教え」』(三笠書房)を参考にして、不安や悩みの断捨離を実践してみたい。
著者は住職でありながら、セルリアンタワー東急ホテル日本庭園やカナダ大使館を手がける庭園デザイナーとしても活躍する。著書や講演、庭のデザインを通じて、禅の世界を表現されている。例えば日本庭園で見られる「禅の庭」は、石と白砂で構成されており、目の前にして眺めていると静けさや深み、落ち着きや広がりを感じる。その中で大切なのは「空間表現にとって余白の持っている“表現力”は不可欠なのです」と説く。これは我
ニューバランス996々にも当てはまる教えで「沈黙には大いなる表現力があります」とのこと。だから、内向的な人が営業が苦手だと感じていても、巧みなだけで上滑りする言葉ではなく、誠意のこもった沈黙ができれば、真剣に聞いてくれる人だという信頼感を得ることができるという。
仕事や学業に励んでいると、今回はアイツに負けてしまったが次回は勝ちたいなんて、勝ち負けにとらわれてしまうことも。「八風吹けども動ぜず」という禅語が紹介されており、「そのときどきに、それぞれの風が吹いているだけのこと。ですから、どの風も自然に受け止めたらいいのです」と解釈できるそう。つまり、勝ち負けなんかただの風向きでしかなく、一喜一憂して心をすり減らす必要はない。それよりも「心に問いかけてみて、“まずまず、一生懸命やったな”と感じることができたら、それでいい」というように、他者との比較ではなく、自分の中に問いかけるとよいそうだ。
今の仕事を続けてよいのか、もしくは転職すべきか。一年を振り返りながら、身の振り方を考えることもあるだろう。ここで注意したいのは「有り余る情報が判断力を弱めている」という点。働き方や就活、転職に関する情報にあふれているが「本来、仕事を考えるうえでは“自分がなにをしたいか”という視点がもっとも大切です」。そして「どんなにたくさん情報を集めたって、“したいこと”も“生き方”も見つけることはできません」。まずは自分の心の中を見つめ、したいことを探す。それがまず、最初にすべき作業のようである。
悩んでいると眠れなくなって、ニュースサイトやSNSを見続けることもある。でも、新しい情報を知る快楽のような刺激を求めて、本来は必要ない情報まで過剰摂取している感覚はないだろうか。禅の修行に「夜坐(やざ)」というものがあり、心を静めてから床につくことが毎日の決まりとなっているという。夜に考えごとをすると、不安や悩み、心配事の全輪郭が鮮やかとなり、振り払うのが困難になりがち。そこで、夜は意識して情報を遮断し、入浴やアロマなどでリラックスして、良い睡眠を取りたい。翌朝には「頭が整理され、判断に迷うことがなくなった」という状態になれるそう。
今は誰もが監視員のように、互いを見張り合っているような時代。少しでも問題のある行動や発言をすれば、たちまちのうちに批判を浴びることになる。その渦中に身をおいていれば、不安や悩みにさいなまれることも当然な話。たがらこそ「相手のいいところ、長所を見つけて、そこを褒めるのです」。そうすれば「相手からも褒め言葉が返ってきます
ニューバランス1400」という。ただし、安易な褒め方は相手に届かないので注意したい。
師走のいそがしいときでも、簡単にできそうな禅の教えを取り入れてみよう。心を無心にするだけでも、セロトニンが分泌されて落ち着く効果もある。たまにはご先祖様に手を合わせることでも「思いの丈をぶつけることで、心は穏やかに、安らかになってくる。閉塞感を打ち破り、気持ちが前向きになるのです」。年末は心の断捨離もしてみようではないか。
[0回]
PR