アニメやゲーム、漫画のキャラクターに扮する「コスプレ」。スペインやシンガポールなどでブームになっていることを伝えてきたが(関連記事[1][2])、今ロシアの若者の間でもブームになっているという。ロシアではコスプレ文化がどのように浸透し、どのように親しまれているのだろうか? ロシアでコスプレイベントを企画運営する西田裕希さんを取材した。
まるでアニメやゲームの世界からそのまま抜け出してきたかのような完成度。これがロシア人コスプレイヤーたちの実力だ。
キャラクターの格好になりきって楽しむコスプレ文化は、日本で生まれたものだが、これが“輸出”され海外でも楽しまれるよう
ニューバランス996になった。2003年からは名古屋を世界会場に「世界コスプレサミット」が毎年開催され、今年は2日間でおよそ2万人が世界中から駆けつけた。
外国人は、もともとアニメのキャラクターのようにスタイルが優れている人が多いためコスプレが似合う場合が少なくない。なかでもロシア人コスプレイヤーたちの完成度の高さは群を抜いている。ネット上でもたびたび、美しすぎるロシア人コスプレイヤーの画像が話題にのぼる。
●セーラームーンがロシアの若者を直撃!
それでは、ロシアではいつごろからアニメが楽しまれるようになり、一定の層が楽しむ文化として根付いたのだろうか? 旧ソ連が崩壊した1991年、ロシアには自国のコンテンツがほとんどなく、海外の番組コンテンツを輸入しており、それが唯一ともいえる娯楽だった。
「コスプレイヤーたちにとっての革命的な一歩だったのが、1996年のセーラームーン放送開始」と西田さんは話す。当時のロシア人にとって日本のアニメは新鮮で、「美少女戦士セーラームーン」はアニメファンでなくても、ロシアの若者の多くが見たことがあるという。その後2000年に「ポケットモンスター」の放送も始まり、日本のアニメが着実にロシアで根付いていくことになった。
2000年代に入りインターネットが普及した後は、様々な動画サイトで日本のアニメを見られるようになった。特にロシアで最も人気のあるSNS「VK.com」には、有志によって字幕や吹き替えが付け加えられたアニメがアップロードされ、多くの若者の間で気軽に楽しまれるようになった。
また、ファイル共有ソフトからも多くのアニメがダウンロードされている。西田さんは「ロシアは冬季に外で遊びづらいこともあり、
ニューバランス1400他国に比べて若者がネットを利用している時間が長い。インターネットの娯楽のなかで、手軽に楽しめるアニメが広がりやすかった」と分析する。
テレビからインターネットへメディアが変化していくなかで、ロシアでのアニメ人気は盤石のものになっていった。しかし、ロシア国内でインターネットで見られているアニメの動画のほとんどが、違法にアップロードされたものである。海外でのアニメ人気の影には、常に違法動画の問題をはらんでいるが、ロシアも例外ではないようだ。
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