“駅弁の甲子園”として名高い「第49回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」が9日、東京?新宿の京王百貨店で始まった。主催者によると、’66年(昭和41年)から続くこの大会は、いまや売上高が6億円を超えるという超巨大イベント。13日間の会期中に全国333(前年比+46)個の 駅弁が集結、そのうち初出場の駅弁が104個と、まさに「甲子園」に相応しいラインナップとなっている。
49回目の今回は、京王百貨店新宿店開店50周年を記念し、特別企画を用意。今回は”料理の鉄人”として名高い、道場六三郎氏、中村孝明氏、神戸勝彦氏監修による新作駅弁「名人夢の競演」が登場、実演ブースで販売されている
ニューバランス 1400。
記者も毎年この駅弁大会に馳せ参じており、今年も開店30分前に並び、さっそく鉄人の駅弁を購入した。
◆秘伝のみそで和えた鶏レバーとハツ
まずは初代和の鉄人?道場六三郎氏監修による「みちば御自慢 鶏肝丼」(兵庫県 山陽新幹線 新神戸駅/1280円)を実食。道場六三郎氏直筆の弁当箱を開けると、おしながきが入っているのが嬉しい。「栄養価は高いのに、料理としては敬遠されがち(公式HPより)」な鶏の肝を、道場氏オリジナルの「秘伝の田楽みそ」で和えたという逸品だ。
カラッと揚げた奥丹波鶏のレバー、ハツ、モモ肉、さらに角切りのごぼう、こんにゃくを田楽みそで和え、有馬山椒、きざみ生姜でアクセントを加えたものが白飯の上にドンと載っており、ボリュームも満点だ。
特筆すべきは奥丹波鶏のレバー。ゴロゴロと一口大に切られたレバーは、さくっという衣の歯ごたえのあと、ホロホロと口の中で溶ける食感。ハツのコリコリ感、モモ肉のむっちりとした食感との食べ比べが実に楽しい。
濃厚な田楽みそだが、有馬山椒ときざみ生姜が爽やかに香って、すいすいと食べていける。もちろんランチとしてもイケるが、ビールや焼酎と併せ「おつまみ駅弁」としても機能しそうだ。
◆青森県産和牛を贅沢に使用
お次はイタリアンの鉄人?神戸勝彦氏監修による「トリュフ風味牛タンと牛肉のイタリア風すき焼き弁当」(青森県 東北新幹線 八戸駅/1480円)。八戸の駅弁の老舗、吉田屋とコラボした逸品だ。
イタリアカラーで彩られた鮮やかな箱を開けると、ふんわりといい匂いが。牛タンを刻みトリュフオイルで味付けした牛タンと、バルサミコ酢と赤ワイン入りのソースにからめて焼いた、イタリアン風すき焼きが、豪華にも8切れも並んでいる。「一頭買いしたという青森県産の和牛を贅沢に使った(公式HPより)」というだけあって、期待を裏切らない内容だ。
まずは牛タンのタリアータ(※薄切り肉料理の意味)。予想以上に柔らかいタンにトリュフの香りがふんわりと利いて旨い。タン単体で食べてもいいのだが、下にひかれたサフランガーリックライスと一緒に食べるとなお旨い。牛のすきやきも非常に柔らかく、バルサミコ酢の香りと酸味が食欲をそそる。冷えた状態で食べる駅弁は、肉汁や油が固まって肉本来の味とは程遠いものが多いが、そんな心配はまったくの無用であった。
塩ゆでブロッコリーのパルミジャーノチーズがけ、北あかりのマッシュポテト、7種の野菜のカポナータとつけ合せもイタリアの国旗をイメージしているのが目にも楽しい。赤ワインとともに楽しみたい駅弁だ。
◆蟹を使った和の創作料理
最後は2代目和の鉄人?中村孝明氏が監修した「鳥取の味 懐石御膳」(鳥取県 山陰本線 鳥取駅/1980円)を実食。
和食らしく懐石へのこだわりが伺える駅弁。和紙をあしらった掛け紙には11品のお品がきが書かれている。蓋を開けると10つに小分けされた弁当箱のなかに、色とりどりの料理が並んでおり、目にも楽しい和食御膳である。
メインは蟹入り白味噌とチーズのコロッケと、鳥取県産和牛の香味焼き、大山ルビー豚の塩焼きだ。コロッケはふんわりとした食感に蟹とチーズの味がしっかりとしていて美味しい。豚の塩焼きは同梱の塩ぽん酢(写真右下)をつけて食べるとさっぱり。和牛の香味焼きはそのまま頂いた。
特筆すべきは蟹と菊の檸檬オリーブオイル和え。オリーブの実とレモンを同時に圧搾して作ったという檸檬オイルが利いて、蟹の甘みがより引き立つ仕掛けになっている。
黒ゴマの掛かった白飯、大山豚のそぼろ入りご飯とご飯は2種類。大山豚のそぼろは鶏のそぼろよりははるかに大きく、食べごたえがあり、
アディダス スニーカー噛むと豚の脂がじんわりと溢れてくる。
ひとつの駅弁でさまざまな味が楽しめる「懐石御膳」、熱燗をお供に楽しむのがいいかもしれない。
朝10時開店と同時に、さっそく行列となっていた鉄人たちの新作駅弁。駅弁好きならずともぜひ味わっていただきたい。
【第49回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会】
1月9日(木)~21日(火)
京王百貨店新宿店7階大催場
午前10時~午後8時 ※15日(水)?21日(火)は午後5時閉場
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